hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メータのまとめ 8月分

2015年8月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:2889ページ
ナイス数:37ナイス

ウェットウェア (ハヤカワ文庫SF)ウェットウェア (ハヤカワ文庫SF)感想
前作に続き、ストーリーよりもアイデアを楽しむ作品... 遺伝的アルゴリズムで進化して人工生命となったロボットと、80年代的アメリカの社会/文化との共存、軋轢を描く思考実験を楽しめます。衣服が発展した「ウェアラブル人工知能」の「カビィ」が人類との共生関係を築けそうな展開が興味深いです。光コンピュータ素子を好むカビによるロボットへの攻撃を、月面で進化したロボットに「病気」の概念がない、という設定と読むべきでしょう。現在のセキュリティに関する常識では、人工知能/人工生命の遺伝的な進化のプロトコルは厳しいです。
読了日:8月9日 著者:ルーディラッカー
星を継ぐもの (創元SF文庫)星を継ぐもの (創元SF文庫)感想
1977年の作品ですから、DNAはありませんし、設定やキャラクターの性格など、色々とツッコミや言いたいことはありますが、科学的な知識をもとにして、人類はどこからきたのか、そして、どこへ行くのか、そういうことを真面目に語るSFです。これの現代版のリライトを読みたい... 宇宙、未知の世界への憧れ、科学と技術への期待、そういう「星空を見上げた時に感じる憧れ」を味わえます。特に、プロローグとエピローグが素敵です。
読了日:8月12日 著者:ジェイムズ・P・ホーガン
サマー・オブ・ナイト〈上〉 (扶桑社ミステリー)サマー・オブ・ナイト〈上〉 (扶桑社ミステリー)感想
小学生が夏休み前の終業式の日に行方不明になり、その失踪の謎を小学生グループが探る冒険もの... 田舎の街を自転車で走ったり、空き地で野球したり、森や牧草地で遊んだりする小学生の夏休みらしいシーンの合間に、少しずつ不穏な出来事があって、次第に高まっていく緊張感を味わえます。閉鎖が決定した小学校に設置されていた鐘楼の「鐘」の由来が明らかになっていく過程は圧巻です。
読了日:8月14日 著者:ダンシモンズ
サマー・オブ・ナイト〈下〉 (扶桑社ミステリー)サマー・オブ・ナイト〈下〉 (扶桑社ミステリー)感想
上巻の最後の仲間の事故死から、物語は急展開して、一気にクライマックスを迎える感じです。小学生(11歳くらい)がショットガンや拳銃を扱ったり、ガソリンを満載した小型トラックを運転したり、ややカルチャーショックなところもありますが、ぎりぎり、納得できます。これで「悪」が滅んだのかどうか、いまひとつハッキリしないのですが、冒険と緊張の日々が終わって楽しい夏休みというエピローグは素敵です。
読了日:8月14日 著者:ダンシモンズ
マイクロワールド 上 (ハヤカワ文庫NV)マイクロワールド 上 (ハヤカワ文庫NV)感想
作用する範囲内のものは、生物なら生存したまま、縮小する技術とその応用を研究するベンチャー企業リクルートに関わったために、事件に巻き込まれた生物学系の大学院生の冒険...小さくなることで、空気抵抗の影響の変化、身体の能力と代謝の変化、蜘蛛や蟻などが驚異的な捕食者になるなど、スリルのある状況が展開していきます。 先端の科学技術のアイデアで、古きSFの夢を叶えるとともに、科学的な雑学と緊張感のある冒険を楽しめます。
読了日:8月23日 著者:マイクルクライトン,リチャードプレストン
マイクロワールド 下 (ハヤカワ文庫NV)マイクロワールド 下 (ハヤカワ文庫NV)感想
最先端の科学技術を扱うベンチャー企業の創業者、その技術の発案者の確執、技術の軍事的な応用に関する陰謀など、これだけでサスペンス物ができそうな背景と合わせて、縮小された大学院生たちの冒険も、ジェットコースター的に語られていきます。文庫本2冊でまとめているので、結末は「お約束」に感じますが、自然に対する驚異と脅威、先端技術の扱い方など、SFの基本的なテーマを楽しめました。
読了日:8月23日 著者:マイクルクライトン,リチャードプレストン
さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)感想
主人公の17歳の高校生は、母親は失踪、認知症気味の祖母と同居しながら、それなりの青春を...ただし父親は、連続殺人で服役中、その父親の「教育」の影響で、殺人の思考と技術を理解できていて...そういう状況で、父親の連続殺人を模倣した事件が発生し、その事件の解決に、保安官と離合しつつ取り組むという、「少年がアイデンティティーを確立する物語」と「私立探偵が警察に協力する古典的な連続殺人事件のミステリ」の両方を楽しめます。原題の「I HUNT KILLERS」のままのほうが、物語としては、良い感じと思いました。
読了日:8月30日 著者:バリー・ライガ

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