hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーター 12月分のまとめ

2012年12月の読書メーター
読んだ本の数:6冊
読んだページ数:2041ページ
ナイス数:27ナイス

10月はたそがれの国 (創元SF文庫)10月はたそがれの国 (創元SF文庫)感想
不気味で不思議な短編を集めています...人の心・意識が不条理を現実世界に実現するという傾向のお話が多いと思います。例えば、冷蔵庫の音が気になって眠れない夜、というような時に、それを契機に不条理な電気製品のノイズの物語が始まる、みたいな。これじゃあ、今夜眠れない、そんな「ちょっと気になる」傾向の短編集です。この本は、創元SF文庫ですが、SFというのは無理があるかと思います。
読了日:12月2日 著者:レイ・ブラッドベリ
奇妙な論理〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか (ハヤカワ文庫NF)奇妙な論理〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか (ハヤカワ文庫NF)感想
ピラミッドパワー、アトランティス、ムー、骨相学、空飛ぶ円盤など、聞いたことのある「トンデモ」な話題の由来や発展を解説しています。原書は1952年の本なので、やや古めですが、訳者によるあとがき、解説などで、日本語文庫版出版までの補完があります。トンデモな理論を笑って楽しむこともできますが、信じたいことを、無意識に信じてしまう、だからもっと用心しなくちゃという自戒の本にもできます。
読了日:12月11日 著者:マーティン ガードナー
悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)悪霊にさいなまれる世界〈下〉―「知の闇を照らす灯」としての科学 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
上巻とは趣がかわって、科学と社会、政治、科学教育についての議論が展開されています。前世紀の終わり頃のアメリカの事情ですが、普遍性を感じる議論です。停滞を意識するような社会情勢において、教育にどれだけのリソースを割り当てるのか、その「教育」はどのようなものであるべききか、そういうことを考えさせられます。結局、義務教育を受けている子供たちが、私の老後をささえてくれるのですから。そういう年代の方には、科学的な思考を身につけて欲しいな、と思う本でした。
読了日:12月11日 著者:カール セーガン
奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)奇妙な論理〈1〉―だまされやすさの研究 (ハヤカワ文庫NF)感想
1952年のアメリカの「トンデモ」理論を紹介した本です。トンデモ理論がどのようなものか、どのように発展していったのか、そういうことを客観的に説明し、疑似科学の問題点や、そういう理論をウッカリと信じてしまう、そいうい心理について説明してくれます。201x年代では、すでに古い話題であるので、本書で扱う話題も「素材」として見られるので、似非科学について、冷静に考えことができるのだと思います。
読了日:12月11日 著者:マーティン ガードナー
吸血鬼ハンター25 D-黄金魔(下) (朝日文庫)吸血鬼ハンター25 D-黄金魔(下) (朝日文庫)感想
下巻は主に貴族の城内が舞台です。夜、吸血鬼の住処にいる緊張感とか、仕掛けられた罠など、定番な趣向をちりばめながら、あくまでも「借金の取り立て」をハードボイルドに貫いています。ここまでこだわると、むしろ清々しい気になってきます。シリーズ全体でみると異色な感じの作品に、「神祖」の謎を扱って、今後の作品の伏線になるようなお話になっていて、次の作品が楽しみ、という良い読後感を得られました。
読了日:12月15日 著者:菊地秀行
ゾンビ日記ゾンビ日記感想
銃や狙撃に関する蘊蓄などを語りながら、戦闘・戦争で銃器を使用する人の心理を語りつつ、ただ「歩く」死者について、とくに「歩く」ことに関する考察を示しています。この著者にはお馴染みな「居心地のよい廃墟」での生活なども楽しめます。例によって、様々な解釈を楽しめますが、ラストシーンでの行為を為す、成し遂げるために、これだけの思想が必要なのだというのが、最も安易で、理解しやすい構成だと思います。素朴に、「歩く」ことについて、日常の動作について、もっと意識してみようとか、そんなことを考えてしまいました。
読了日:12月30日 著者:押井 守

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