hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 12月分

2016年12月の読書メーター
読んだ本の数:7冊
読んだページ数:1258ページ
ナイス数:28ナイス

ラヴクラフト全集2: 2ラヴクラフト全集2: 2感想
文庫版の全集第2巻です。(多分、有名な)「クトゥルフの呼び声」と「チャールズ・ウォードの奇怪な事件」、「エーリッヒ・ツァンの音楽」が収録されています。ラブクラフトの定番とも言える作品を楽しめる一冊でした。クトゥルフ神話の教養(パロディ作品の元ネタ)として、読んでおくべきだと思います。
読了日:12月11日 著者:H・Pラヴクラフト
ラヴクラフト全集 3ラヴクラフト全集 3感想
短編集的な構成の文庫版の全集第3巻です。クトゥルフ神話の教養的な(「窓に、窓に」の)、「ダゴン」が収録されています。その他、「無名都市」や「潜み棲む恐怖」などクトゥルフっぽい感じの作品を楽しめます。また、巻末の資料:履歴書と作品解題は、充実した内容だと思います。
読了日:12月11日 著者:H・P・ラヴクラフト
ラヴクラフト全集 4ラヴクラフト全集 4感想
南極大陸に神秘的な幻想を抱ける時代だからこその『狂気の山脈にて』は、探検隊員の回想という形でリアリティを与える古典的なホラー作品として、味わい深い感じです。「テケリ・リ!テケリ・リ! 」は、ここからですか、とか。その一方で、『宇宙からの色』のような、現代でも様々にアレンジ可能な短編など、まさしく温故知新な短編集です。
読了日:12月19日 著者:H・P・ラヴクラフト
篠房六郎短編集~こども生物兵器~ (アフタヌーンKC)篠房六郎短編集~こども生物兵器~ (アフタヌーンKC)感想
『やさしいこどものつくりかた』ホムンクルスが創造主から与えらた使命を忠実に実行する姿と、それに感情移入させる、執筆当時のメイド萌えを意識しつつ、ちょっと外すという演出ですが、「ただのママゴトだ」という台詞は、コミックスやラノベの作風への洞察に満ちてるとか思いました。前後編で構成された『空談師』は、古さを感じさせない佳作と思います。様々な想像を刺激される短編集です。
読了日:12月25日 著者:篠房六郎
一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)感想
晦日の夜、妖精などが共存するもう一つの世界で、紛失したユニコーンを探す依頼を受けた私立探偵の事件の顛末というハードボイルド風のファンタジーです。現実世界に、ちょっと幻想的なガジェットや妖精などが登場する異世界の雰囲気がとても心地良く感じます。ユニコーンの紛失や依頼の本当の動機が明らかになるなか、うだつの上がらない中年探偵の行動・決断も格好よく、気分良く新年を迎える物語です。
読了日:12月31日 著者:マイク・レズニック
太陽の汗太陽の汗感想
高機能な翻訳機によるコミュニケーションとネットワーク化・情報化が高度に進んだ社会で、デジタル機器が撮影・再生する「現実」と生身で体験する「現実」に差異が生じてい流としたら... 情報化社会のインフラ機器に認識(や世界)を支配されるのか、そういう支配を逃れて生存・生きていくのか、著者が繰り返し扱うテーマを南米、インカの遺跡地帯を舞台にした冒険物として楽しめます。翻訳機が出力する言葉は、本当は誰の言葉なのか、翻訳機の限界を意識しなければ、翻訳機に支配されるなど、スマホに依存した現在のほうが、分かりやすいかも。
読了日:12月31日 著者:神林長平
宇宙探査機 迷惑一番宇宙探査機 迷惑一番感想
所属不明の探査機に対して、出撃・接触した宇宙軍の迎撃小隊のメンバーたちが、探査機の多元宇宙を移動する能力により、現宇宙と少しだけ違う別の宇宙に移動させられ、その世界で現実とは何か、自己実現とは何かを考えて生き残る物語を、「能天気」をキーワードにして、コメディ風にまとめた作品です。人工的に創られた「意識」や「知性」は、当然、存在するという前提について、 言語により認識・思考を出力するデバイスとそのデバイスを制御する「意識」を持った探査機による現実認識や言語の意味について、考えさせられます。
読了日:12月31日 著者:神林長平

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