hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 五月分

2016年5月の読書メーター
読んだ本の数:5冊
読んだページ数:1341ページ
ナイス数:32ナイス

風林火山風林火山感想
自分の才能を発揮できる職場に、50代で採用された主人公が、雇用者その他を利用しつつ「自己実現」を達成しました、という物語です。物語と言いますか、「こうなりました」、「こういう所感です」という説明が続いて、あっさり読めますが、なんとなく、物足りない描写です。とは言うものの、共感できれば、もっと感動できるかもしれません。 甲斐や信州、信濃の地理的な説明や時代背景の説明もありません。関連する知識なしでは、「ワケがわからないよ」という感じです。
読了日:5月5日 著者:井上靖
ラスト・ウィンター・マーダー 〈さよなら、シリアルキラー〉 (創元推理文庫)ラスト・ウィンター・マーダー 〈さよなら、シリアルキラー〉 (創元推理文庫)感想
全3巻の完結編です。第2巻のラストシーンから続く緊張感のある展開のなか、1巻目からの伏線を回収しながら、真実が明かされていきます。父親との会話、母親との再会により描かれる親と子の関係、主人公を助ける親友やガールフレンドのエピソードなどで、17歳の少年が大人になる物語、ただし両親はシリアルキラーという設定でミステリ・ヤングアダルトとしてまとめた、佳作だと思います。 第2巻のラストシーンが、アメリカのTVドラマのシーズン最終話のような感じで、そういう演出だと思って読むと分かりやすいです。
読了日:5月15日 著者:バリー・ライガ
バネ足ジャックと時空の罠(上下合本版) 大英帝国蒸気奇譚 (創元海外SF叢書)バネ足ジャックと時空の罠(上下合本版) 大英帝国蒸気奇譚 (創元海外SF叢書)感想
バネ足ジャックの謎解が、タイムトラベルのパラドックス解消だった、という筋書きを、大英帝国を舞台にしたスチームパングで演出した作品... 大気汚染や下水のない街の不潔さ、ヴィクトリア時代の紳士淑女な習慣と社会、少しだけ電気使って、あとは蒸気と歯車なガジェットなど、雰囲気たっぷりです。スチームバンクな乗り物による追跡シーン、剣術による格闘、煙突から侵入したり、飛行船に飛び乗ったり、まるで007シリーズの映画のような構成です。登場人物は英国の有名人というパロディも含めて、いろいろな読み方ができそうです。
読了日:5月22日 著者:マーク・ホダー
なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集 (創元推理文庫)なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集 (創元推理文庫)感想
著者の死後に発見された遺稿です。そのためか、習作のような短編なので、なんとなく、もの足りない感じですが、習作なんだと思えば、それなりに楽しめます。とは言うものの、全般に、後味の悪い物語が多いですから、読者を選ぶような短編集です。ともかく、日曜日の午後、気軽な読書ができました。
読了日:5月29日 著者:シャーリイ・ジャクスン
ラヴクラフト全集1: 1ラヴクラフト全集1: 1感想
インスマウスの影』が収録されています。これ以外は、いわゆる「クトゥルー神話」と言うよりも怪奇やホラー物という感じです。ですが、そういうジャンルの古典として楽しめました。なんと言いますか、「ここから始まったんだな」、みたいな。訳者あとがきが、解説になっているので、全集的な価値もあると思います。
読了日:5月29日 著者:H・Pラヴクラフト

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