hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 11月分

2014年11月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:2429ページ
ナイス数:7ナイス

メルニボネの皇子 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (587))メルニボネの皇子 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (587))感想
原作は1972年、84年に出版された日本語訳は、2014年の現在では、やや古めかしくて勿体ぶった感じのファンタジーです。秩序と混沌の神々が永遠の闘争を続ける世界、魂を吸収して所有者に力を与える魔剣などの設定の他、冒頭の世界地図、天野嘉孝のカバー・挿絵と仕立てが素晴らしいです。連作短編の形式でエルリックの冒険が描かれています。内容は、今となっては「どこかで聞いた」感じですが、つまり、これがオリジナルなのでしょう。まさに、温故知新です。
読了日:11月3日 著者:マイクル・ムアコック
この世の彼方の海 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (589))この世の彼方の海 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (589))感想
訳者が安田均氏から井辻朱美氏に変わりますが、違和感がないように配慮されています。本作と言いいますか、原作者の持ちネタである<永遠のチャンピオン>と<>に関わる設定が登場しましが、第1巻と本巻の解説でなんとか、理解できます。もっとも、そういうのを抜きにして、作中の主人公であるエルリック視点で理解しても、十分に楽しめます。未知の孤島での冒険譚という体裁でRPG風な冒険譚を楽しめます。原作は1976年、「RPG風」と感じるファンタジーの源流を味わえます。
読了日:11月3日 著者:マイクル・ムアコック
白き狼の宿命 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (595))白き狼の宿命 (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (595))感想
第1巻の伏線を、恋人サイモリルとの悲恋、魔剣「ストームブリンガー」とエルリックの宿痾のような宿命として描いていますが、一つの国が滅ぶほどのエピソードなのに、ちょっと物足りない感じです。自ら国を滅ぼして、その後の流離いと冒険が連作短編で描かれるファンタジーです。主人公は、秩序と混沌が永遠に闘争を続ける世界の理と、そのような世界での人生の意味に想いを馳せるような目的で冒険をしているので、不思議な感じがします。
読了日:11月3日 著者:マイクル・ムアコック
暁の女王マイシェラ (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (606))暁の女王マイシェラ (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (606))感想
前巻から敵となった魔術師を倒すため、旅を続けるエルリックとムーングラムの冒険譚…表題のマイシェラ女王との悲恋(?)がメインテーマです。小さなクエストやガジェットが次々と登場して、「家庭用ゲーム機のRPGのように」と感じてしまいます。強力な力魔剣を所有しながらも無敵ではなく、罠にかかったり、捕らえらりしながら、魔剣を疎ましく思いながらも、依存しなければならない葛藤、その結果、愛が悲劇になることを苦悩するようなテーマを扱っていますが、連作短編のためか、そういうことの描写に関しては、かなり残念な感んじです。
読了日:11月9日 著者:マイクル・ムアコック
黒き剣の呪い (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (611))黒き剣の呪い (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (611))感想
2巻前から続く、宿敵を討ち果たして、物語は一区切り。エルリックも妻帯し拠点を定めるエピソードに続いて、<秩序>と<混沌>の対立に関わる戦乱の物語に移ります。<混沌>の力を得て、周辺の国、都市への侵略が始まり、それを迎え撃つ、という都市や国単位での戦い。雰囲気は、<混沌>の力が優勢で、なんとか防いでいるという感じです。魔剣との関わりかたを再考し、エルリックの葛藤、悩みも変化が見られます。
読了日:11月16日 著者:マイクル・ムアコック
ストームブリンガー (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (626))ストームブリンガー (ハヤカワ文庫 SF―エルリック・サーガ (626))感想
あらすじと見栄えのあるシーン・セリフで構成されていて、読みやすいのですが、なんと言いますか、ライトノベルのような感じです。第1巻から仄めかされていた魔剣「ストームブリンガー」と「モーンブレイド」の存在意義、エルリックの宿命の意味、そういう伏線を回収しつつ物語は結末に。<混沌>に蹂躙されていく過程の容赦のなさ、全てが滅びた後の新たな世界の創生などは、戦争に関する冷酷な認識や文化の差異を感じます
読了日:11月24日 著者:マイクル・ムアコック
吸血鬼ハンター28 D―夜会煉獄 (朝日文庫)吸血鬼ハンター28 D―夜会煉獄 (朝日文庫)感想
『貴族祭』の完結編です。目的地の村に到着したら、「お約束」の展開です。村内の派閥争いや村の異能者による妨害、貴族の城からの妨害、城の貴族への挑戦などを盛り込みつつ、前巻の伏線の回収(戦闘による死亡...)があります。ちょっと意外なことに、ヒロインが女貴族です。そのラストは、悪くないです。
読了日:11月24日 著者:菊地秀行
吸血鬼ハンター28 D―夜会煉獄 (朝日文庫)吸血鬼ハンター28 D―夜会煉獄 (朝日文庫)
読了日:11月24日 著者:菊地秀行
エルリック・サーガ〈7〉真珠の砦 (ハヤカワ文庫SF)エルリック・サーガ〈7〉真珠の砦 (ハヤカワ文庫SF)感想
エルリック・サーガの外伝のような感じです。エルリックの冒険が始まって間もない頃の冒険譚の一つという位置づけですが、他人の夢の世界での探索、それもやや思念的な誘惑を克服していくような内省的な感じが強くなっています。そういう物語を、典型的なRPGっぽい構成にまとめてあり、とても面白く、楽しめました。こういう感じの、エルリックの冒険をもっと読みたい。
読了日:11月30日 著者:井辻朱美,マイクル・ムアコック井辻朱美,マイクル・ムアコック

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