hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 1月分

2013年1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3839ページ
ナイス数:10ナイス

昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)昔には帰れない (ハヤカワ文庫SF)感想
この作者の短編は、「小石はどこから」や「行間からはみだすものをものを読め」のようなお気楽な作品が好きです。これらが収録されているので、購入しました。横山えいじ氏のカバーも良い感じです。この短編集には、表題作のような比較的気楽なテーマのものから難しいテーマのものまでがまとめられていて、一冊で、さまざまなSFを楽しめます。難しいテーマの作品「そして、わが名は」は難し過ぎな感じでした。
読了日:1月5日 著者:R.A. ラファティ
ヤマネコ号の冒険 (アーサー・ランサム全集 (3))ヤマネコ号の冒険 (アーサー・ランサム全集 (3))感想
ツバメ号とアマゾン号」シリーズ全体の位置付けは、第2巻『ツバメの谷』の言及から明らかですが、この作品単独でも、充分に楽しめる構成になっていると思います。ローストフト港からイギリス海峡の間を帆船で航海する辺りの描写は、真に迫るものと思いますし、無人島でのキャンプシーン等は、真に迫る物を感じます。こういうアウトドア体験を味わえる「ツバメ号とアマゾン号」シリーズの中でも、特に素晴らしい作品だと思います。
読了日:1月5日 著者:アーサー・ランサム
宇宙嵐のかなた (ハヤカワ文庫SF)宇宙嵐のかなた (ハヤカワ文庫SF)感想
巨大な宇宙戦艦で銀河の「海図」を作成中に、帝国に属さない惑星連邦を発見し、砲艦外交を開始、というストーリーです。「宇宙嵐」ほかのSF設定や問題を「心理学的」なものとするあたりには、レトロな雰囲気を楽しめます。1952年の作品。なので、砲艦外交の結末や、あくまでも「法」による決定を重視する地球帝国とその政治体制などは、当時の時代背景を考えてしまいますが、宇宙戦艦での冒険、敵対国の軍人とのロマンスなど、スペースオペラの魅力をタップリと楽しめます。
読了日:1月6日 著者:アルフレッド・エルトン ヴァン・ヴォクト
サイモン・アークの事件簿IV (創元推理文庫)サイモン・アークの事件簿IV (創元推理文庫)感想
神秘的・オカルトな雰囲気の事件が極めて現実的に説明され、解決されるシリーズの特徴は維持されていますが、訳者編の短編集ということで、日本向けのケレン味があるような感じのタイトルが多いです。また、語り手の「私」も歳をとり、時の流れを感じる作品もあります。時の流れのなかで、「私」とサイモン・アークの関係が少しずつ変わりながらも、友情を維持しているのが、少し羨ましい探偵とその記録者スタイルの探偵小説です。
読了日:1月8日 著者:エドワード・D・ホック
オリュンポス 1 (ハヤカワ文庫SF シ 12-12)オリュンポス 1 (ハヤカワ文庫SF シ 12-12)感想
とりあえず、『イリアム』の続きはどうなったの、という疑問を解消してくれます。そして、物語は新たな展開へ、という構成ですが、文庫版全3巻の1巻目ですので、この本だけでは、感想はなんとも... アキレウスと導師たるノーマン(オヂュッセウス)の危機で、今後の展開に期待させられる導入部分になっています。巻末の「訳者あとがき」と「注解(訳者補足)」は、参考になりますが、こういう蘊蓄なしでも、「物語」は楽しめます。
読了日:1月13日 著者:ダン・シモンズ
オリュンポス 2 (ハヤカワ文庫SF シ 12-13)オリュンポス 2 (ハヤカワ文庫SF シ 12-13)感想
第一部の『イリアム』の醍醐味でもあった、SFならではの光景、本巻では、エッフェル塔をプラットフォームにしたゴンドラで、地球を旅する、そんなSFでしか思いつけないようアイデアと光景のもと、物語は、「人間」として知識を得て理解すること、命をかけて戦うことの意味などを考えさせる場面が描写されます。続きが気になる第2巻です。
読了日:1月13日 著者:ダン・シモンズ
オリュンポス 3 (ハヤカワ文庫 SF シ)オリュンポス 3 (ハヤカワ文庫 SF シ)感想
これだけの仕掛け、世界を造りだして、作者は何を言いたかったのだろう、そういう疑問には、巻末の「訳者あとがき」が簡潔にまとめていますが、文学の引用やギリシャ神話の知識を無視しても、「物語」を楽しめるようになっているところが、すごいな、と思います。また、SFファンなら楽しめる、SFな光景やガジェットを多数登場させていて、最後まで、一気に読ませる作品だと思います。文庫版、全3巻で目眩がするような刺激を楽しめました。もっと勉強したい、そんな読後感があります...
読了日:1月13日 著者:ダン・シモンズ
曾根崎比丘尼 - 新・雨月物語 (C・novels)曾根崎比丘尼 - 新・雨月物語 (C・novels)感想
人の業こそが「あやかし」、でそれを十手持ちに協力するという立場でまとめた、『雨月物語』の作者、青年時代の上田秋成が主人公な、伝奇風連作短編です。ノベルスとしての仕掛けは、本冊だけでは活かし切れていませんが、次巻に期待できるようになっています。作者あとがきの解説は上田秋成の参考書として活用できます。気楽で暇つぶしな読書としては、悪くないです。
読了日:1月27日 著者:富樫 倫太郎
天満ばけもの巡り―新・雨月物語 (C・NOVELS)天満ばけもの巡り―新・雨月物語 (C・NOVELS)感想
短編風な章立てですが、前巻の最終話からの続きな長編になっています。雨月物語っぽい伝奇的な内容ですが、前巻の仕掛けを活かしきれていないとか、メインとなる妖の「笑い猫」とその対策も、前巻とは趣が違っていて、続巻としては、残念でした。本作だけなら、日曜日に、適当な映画を観た、って言う程度には満足できます。でも、ええと、それだけ、かも。雨月物語を期待すると、ハズレだと思います。
読了日:1月27日 著者:富樫 倫太郎

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