hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 6月分

2013年6月の読書メーター
読んだ本の数:18冊
読んだページ数:5266ページ
ナイス数:17ナイス

シークレット・レース (小学館文庫)シークレット・レース (小学館文庫)感想
元自転車選手の自伝的なプロ自転車競技の真実の物語、というか、ドーピングに関する告白。ランス・アームストロングツール・ド・フランスで7連覇を達成して、2012年にそのタイトルを剥奪された事に関する分かりやすい説明になっています。世界のトップレベルの競争の厳しさ、ドーピングなしでは勝負にならない現実とプロ選手としての立場・心理が書かれています。「ドーパーだけど最低じゃない」と言われても、2003年の16ステージなどの著者の活躍への感動が裏切られた気分です。真実は厳しいですね。
読了日:6月2日 著者:タイラー ハミルトン,ダニエル コイル
崑央(クン・ヤン)の女王 (角川ホラー文庫)崑央(クン・ヤン)の女王 (角川ホラー文庫)感想
中国で発見されたBC1400年の美少女のミイラの調査を中国と日本の民間企業が共同で行い、その研究に協力するために、研究施設の高層ビルで臨時勤務する美人研究者がヒロインのホラー小説です。クトゥルーの旧支配者の説明を中国の伝説として上手く利用し、生物工学で旧支配者を復活させ、五行思想で封印するなどの工夫や、生物工学で生み出されたクリーチャーを相手にした、閉鎖されたハイテク施設での逃走と戦闘が楽しめます。1993年、20年前の作品ですが、当時の時代背景が前提の部分もありますが、現在でも充分に通用すると思います。
読了日:6月9日 著者:朝松 健
世界の果てまで何マイル (ハヤカワ文庫SF)世界の果てまで何マイル (ハヤカワ文庫SF)感想
世界の果の街で2人だけで暮らしていた魔法使いの一人が、アメリカ南部で農業と車の修理を魔法を使いながらこなしつつ、平凡に暮らしていたところ、もう一人が追ってきて...世界を破滅させるアイテムとそれを防ぐアイテム、時の始まりと終わりの場所など、ファンタジーな設定を背景に、アメリカ南部から北の世界の果てに向かってドライブしていく旅の物語。アメリカのハイウェイの旅情、60〜70年代の自動車など、携帯もカーナビもない時代の雰囲気と次第に現実が改変されていく幻想的な景色などがゆったりと楽しめます。
読了日:6月9日 著者:テリー ビッスン
ラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランスラフ・ライド―アベレージレーサーのツール・ド・フランス感想
アイルランドの元自転車プロ選手の自伝です。生い立ちからアマチュアのトップへ、そしてプロデビューから引退とその後、ツール・ド・フランスやジロ・ディ・イターリアの各ステージの厳しいレースの状況、契約を維持するための努力など、プロの自転車選手の厳しい現実を体験できるような内容です。その「現実」はドーピングの実情を語り、この本の位置づけはプロ自転車界のドーピング告白のようになっていますが、それよりも、1970から80年代の自転車選手の夢と現実、挫折など、人生の物語として価値があると思います。
読了日:6月9日 著者:ポール・キメイジ
D―昏い夜想曲(ノクターン) (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)D―昏い夜想曲(ノクターン) (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)感想
表題作を含め、3つの短編が収録されています。どの作品も、シリーズの世界観を利用して、細かい説明なしで物語を進めているので、紙幅の割には充実した内容です。各作品のアイデアも独特なものですし、キャラクターもしっかり書かれています。特に、表題作は貴族の特性やDの台詞の多さなど、やや異色でありながら、違和感がない不思議な作品になっていると思います。
読了日:6月15日 著者:菊地 秀行
D‐薔薇姫 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)D‐薔薇姫 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)感想
「洗練された奴隷制は隷属を喜ばす」という感じに支配された村で、奴隷からの解放を望みながら、最後には、その支配者になりたいと願う人間のヒロインの悲劇を、圧倒的な支配権を持つ女貴族とその騎士、貴族と騎士に挑む孤高のハンターという、シンプルな物語としてまとめています。主人公の刀を鍛つ鍛冶屋が格好良くみえるくらい、シンプルで定番な吸血鬼討伐です。
読了日:6月15日 著者:菊地 秀行
BLOOD-C (角川ホラー文庫)BLOOD-C (角川ホラー文庫)感想
山間の町の女子高生は、実は化け物と戦う巫女だったというライトノベルな日常が、同級生の犠牲、化け物の謎解き、ヒロインの記憶の回復によって真実が明らかになる、ホラー・スリラーな展開を経て、黒幕との対決に向かうアクション物を気軽に楽しめます。オリジナルな「BLOOD」シリーズの設定に、「xxxHOLiC」の設定が絡むので、ちょっと解りづらいところもありますが、後編に期待できる内容です。
読了日:6月15日 著者:藤咲 淳一,ProductionI.G/CLAMP
BLOOD‐CThe Last Dark (角川ホラー文庫)BLOOD‐CThe Last Dark (角川ホラー文庫)感想
前巻の続きで、近未来の東京が舞台になります。管理社会へのレジスタンスとの共闘、レジズタンスの仲間との気まずい状況、それを乗り越えて共闘する等、本巻だけで、「BLOOD」シリーズの作品として楽しめます。古めの「BLOOD」作品と比べると時代の変化を利用して2000年代版にまとめて、そんな感じです。「xxxHOLiC」な設定が不自然に感じますが、まぁ、許容範囲でしょうか...
読了日:6月15日 著者:藤咲 淳一
D―蒼白き堕天使〈1〉 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)D―蒼白き堕天使〈1〉 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)感想
バンパイアハンターがバンパイアを護衛しながら旅をする、特異な状況のなか、刺客との戦闘がメインになっています。途中でさらにもう一人の女性バンパイア、都へ旅する双子の姉弟が加わり、物語が膨らんでいきます。前半のあっけない戦闘の理由は作者のあとがきで説明されていますが、それ以外は、このシリーズの作品として「悪くない」内容です。
読了日:6月16日 著者:菊地 秀行
D‐蒼白き堕天使〈2〉―吸血鬼ハンター〈9〉 (ソノラマ文庫 710)D‐蒼白き堕天使〈2〉―吸血鬼ハンター〈9〉 (ソノラマ文庫 710)感想
吸血鬼を護衛する奇妙な旅の続き... 内部が刳り貫かれた1000mの巨木、巨大な空港と管理用AI、壮大な渓谷など、道中の舞台と刺客の能力を楽しめます。仕掛けを退けながら「神祖」を意識させて、このシリーズ全体の伏線を期待させてくれます。同行する吸血姫に取り付いた謎の「破壊者」、攫われた双子の弟など、不安材料が増えて緊張感もあり飽きさせない内容です。
読了日:6月16日 著者:菊地 秀行
D‐蒼白き堕天使〈3〉 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)D‐蒼白き堕天使〈3〉 (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンターシリーズ)感想
吸血鬼を護衛する旅が終わります。到着前後の経緯で、目的地、吸血鬼の城がある町で、改めて城の吸血鬼と戦うことになり、物語は仕切り直しです。吸血鬼の城へ赴くハンターという王道とも言える本来のシチュエーションに、ここまでの「しがらみ」が伏線となって物語を盛り上げていきます。
読了日:6月16日 著者:菊地 秀行
D‐蒼白き堕天使〈4〉―吸血鬼ハンター〈9〉 (ソノラマ文庫)D‐蒼白き堕天使〈4〉―吸血鬼ハンター〈9〉 (ソノラマ文庫)感想
登場人物が多いので、伏線の回収、つまり敵方との戦闘と決着は「魔界都市ブルース」風の感傷的な感じがします。絶望的な状況を乗り越えて、妻または母に対する因縁の父と子の戦いは、それぞれが一段階パワーアップするというテコ入れもあって、最後まで物語を楽しめました。本シリーズではお約束な結末ですが、全4巻、飽きさせず、上手くまとめています。
読了日:6月23日 著者:菊地 秀行
D‐双影の騎士〈1〉―吸血鬼ハンター〈10〉 (ソノラマ文庫)D‐双影の騎士〈1〉―吸血鬼ハンター〈10〉 (ソノラマ文庫)感想
前半の緊張感あふれる事件の描写から、魅力的なヒロインの登場、謎の設定等、いわゆる「セットアップ」の後、D自身のドッペルゲンガー的な存在が物語の根本的な設定である「神祖」とDの生い立ちを明らかにするのかも、という雰囲気で盛り上がっていくーのですが、なんとなく冗長な感じなうちに次巻に続くという終わりかたが残念です。
読了日:6月23日 著者:菊地 秀行
D-双影の騎士 (2) (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンター (818))D-双影の騎士 (2) (ソノラマ文庫―吸血鬼ハンター (818))感想
前巻の「セットアップ」から、決着の場所へ移動する道中と最終決戦というシンプルな構成ですが、「神祖」とDの生い立ちの謎が明らかになるかも、という前巻からの伏線のため、期待が高まる描写になっています。戦闘や貴族の施設の途方なさ等が楽しめますが、伏線等で煽られただけ、決着は物語としてもちょっと残念な感じです。とはいえ、これでまた次巻以降も変わらずに吸血鬼ハンターシリーズが楽しめると思えば、ホッとしますが...
読了日:6月23日 著者:菊地 秀行
D‐ダーク・ロード(1)―吸血鬼ハンター〈11〉 (ソノラマ文庫)D‐ダーク・ロード(1)―吸血鬼ハンター〈11〉 (ソノラマ文庫)感想
吸血鬼の犠牲者の村のただ一人の生き残りと旅をすることになり、その後、物資の運送をする輸送隊と成り行きで同行したりと、今回は旅路が続きます。途中、かつて滅ぼされた大吸血鬼が復活したり、復活した吸血鬼のもとへ、同じく復活した吸血鬼が集まって、冒頭の虐殺に加えて、伏線で盛り上がります。
読了日:6月30日 著者:菊地 秀行
D‐ダーク・ロード(2)―吸血鬼ハンター〈11〉 (ソノラマ文庫)D‐ダーク・ロード(2)―吸血鬼ハンター〈11〉 (ソノラマ文庫)感想
前巻の成り行きから、やっと吸血鬼と戦うーハンターとしての依頼を受けて、積極的な戦闘に移ります。今回は、吸血鬼の増援があり、相手の能力が見所の一つですし、可憐な少女吸血鬼の登場で華やかさや、吸血鬼の心理的な異常さなどの趣向も楽しめます。特に、輸送隊の心得といいますか、プロフェッショナルなプライドが格好良いです。
読了日:6月30日 著者:菊地 秀行
D‐ダーク・ロード〈3〉―吸血鬼ハンター(11) (ソノラマ文庫)D‐ダーク・ロード〈3〉―吸血鬼ハンター(11) (ソノラマ文庫)感想
第2巻の盛り上がりで忘れかけていた第1巻冒頭の伏線回収がありますが、なんとなく、物足りない感じです。バンパイアハンターシリーズでも意外な結末というか結果で物語が終わり、新たな旅に、という徹底したロードノベルに仕上がっています。辺境の村の過酷さと群衆心理と言うか人間の低俗さと対比される輸送隊のメンバーが、本巻でも格好良いです。
読了日:6月30日 著者:菊地 秀行
クトゥルー〈2〉 (暗黒神話大系シリーズ)クトゥルー〈2〉 (暗黒神話大系シリーズ)感想
五芒星形の石の護符、黄金の蜂蜜酒と石笛で旧支配者の眷属と戦うシュリュズベリ博士に関わる連作短編で構成されています。旧神や旧支配者、本神話体系の魔道書など、ガジェットや設定がありますが、なんといいますか、趣向はクトゥルー、という気分でしかなく、それはそれで悪くないので、ライトノベルとして、気楽に楽しむなら悪くないと思います。巻末にクトゥルー神話に登場する魔道書の簡潔な説明「クトゥルー神話の魔道書」というおまけが収録されています。
読了日:6月30日 著者:オーガスト ダーレス

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