hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

2012年01月30日のツイート

1月の読書メーター
読んだ本の数:9冊
読んだページ数:3309ページ
ナイス数:10ナイス

快盗タナーは眠らない (創元推理文庫)快盗タナーは眠らない (創元推理文庫)
戦傷で不眠となった主人公は、独学で欧州の各国語を学び、読書に勤しみつつ、(反政府的なものを含めた)各国の多彩な思想団体に加入し会誌を購読しながら人脈を広げ…そんな生活のなか、入手した金貨を探しにヨーロッパへ。冷戦化の欧州を語学と人脈を活かしつつ、スパイまがいの活動を才知で切り抜けていく冒険を楽しめます。欧州の懐の深さ、余所者への寛容と用心、不思議な暖かさを感じました。
読了日:01月05日 著者:ローレンス ブロック
タナーと謎のナチ老人 (創元推理文庫)タナーと謎のナチ老人 (創元推理文庫)
前作の設定を引き継いで、欧州の古城を回収した留置場からナチス戦犯を救出に…舞台は冷戦時の東欧で、今回も怪しげな政治的団体の人脈とマルチリンガル、そして機転で困難な状況を切り抜けていく冒険物語…巻末の解説で、「欧米のスパイ物のお約束」の説明があります。この解説のような視点よりも、素朴に、シリアスな状況をユーモアを感じさる方法で切り抜けていくお話として楽しめました。
読了日:01月05日 著者:ローレンス ブロック
ヒュペルボレオス極北神怪譚 (創元推理文庫)ヒュペルボレオス極北神怪譚 (創元推理文庫)
クトゥルー神話のガジェットを使いながら、独自のファンタジー世界の冒険、奇譚の短編集です。後半にはアトランティスなどを舞台にしたお話もありますが、どれも魔術など幻想的な内容で、ライトノベルなどでは味わえない、落ち着いた深みのある世界をしっかりと楽しめます。
読了日:01月05日 著者:クラーク・アシュトン・スミス
ペルソナ探偵 (講談社文庫)ペルソナ探偵 (講談社文庫)
インターネットのチャットでのみ交流しつつ小説の同人誌を作成するグループのメンバーが、個々に巻き込まれるミステリな事件の短編の他、最後の仕掛けは凝っていて楽しめます。ネット上のアイデンティティは意外にしっかりと確立して、実際のアイデンティティとの関係を上手く使っています。SNSが普及する以前のインターネット系ミステリです。
読了日:01月07日 著者:黒田 研二
ヴァンパイヤー戦争〈1〉吸血神ヴァーオゥの復活 (講談社文庫)ヴァンパイヤー戦争〈1〉吸血神ヴァーオゥの復活 (講談社文庫)
冷戦の最中に、KGBで訓練を受け、KGBを裏切ってフリーになりつつ、KGB時代の人脈と実力で窮地を脱していく、スパイアクション的なエピソードが続くなか、次第に、吸血鬼とは何か、という命題に文明論的にSFな解釈をしつつ、以下、続刊になっています。休日のちょっとした時間つぶしとして気楽な娯楽作品として楽しめましたが、全11巻です。先は長いなぁ…
読了日:01月08日 著者:笠井 潔
アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う (英国パラソル奇譚)
作中の時間は前巻の数ヶ月後くらい...前作では中流階級の淑女に相応しからぬ振る舞いが、本作では伯爵夫人らしからぬになって、ビクトリア朝時代の英国の雰囲気を楽しめるとともに、当時の科学を活かしたファンタジーなガジェトも豊富です。物語の設定である人狼、吸血鬼、人間、ヒロインの関係と、その前提を崩壊させる謎の現象の原因を探る旅にヒロインの家庭の事情、旅に動向する男装の女性発明家、内通者を疑いながら滞在するスコットランドの城での生活など、ファンタジーとミステリ、スパイアクションな物語を楽しめました。
読了日:01月22日 著者:ゲイル・キャリガー
アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う (英国パラソル奇譚)アレクシア女史、欧羅巴(ヨーロッパ)で騎士団と遭う (英国パラソル奇譚)
前巻のラストシーンの強烈な幕引きの続き…スキャンダルの意味・影響が現代社会とは全然違うビクトリア朝な世界の雰囲気は、ヒロイン視点では厳しい現実になりますが、吸血鬼から命を狙われながら、それをファンタジーなガジェトとじゃじゃ馬な振る舞いで切り抜け、自分の父親の因縁の地へと欧羅巴を旅する物語が楽しめます。貴族階級のスキャンダルの解決と夫婦の和解、それにヒロイン暗殺に関わる事件の解決などミステリ要素もあり、一気に読んでしまいました。続刊が楽しみです。
読了日:01月22日 著者:ゲイル・キャリガー
新版 サイキック戦争I 紅蓮の海 (講談社文庫)新版 サイキック戦争I 紅蓮の海 (講談社文庫)
主人公は異能者の血族の末裔で、異能の力に覚醒して活躍…というのではなく、惰弱で怯懦なことばかり…留学先で彼女が妊娠して逃避的に帰国して、煮え切らない態度のために活動家に追われながら、異能を狙われて姉の家族が危機に。そして冒険が始まりますが、なんかこう、主人公はダメっぽい態度です。その一方で、毅然としたヒロインが素敵です。そのヒロインの助けを借りても甘えないところが唯一の救いかも。最後は覚醒した異能の力を発揮しますが…シリアスな時代背景などを和らげたら、ギャグっぽいラノベみたいで、そういう風に楽しめます。
読了日:01月29日 著者:笠井 潔
新版 サイキック戦争II 虐殺の森 (講談社文庫)新版 サイキック戦争II 虐殺の森 (講談社文庫)
ヴェトナム戦争を背景とした組織的陰謀に、友人、知人、家族という個人的なつながりで立ち向かおうとする超能力者の主人公、華僑的な組織力で援助するヒロインの物語は、実は神的な上位存在の代理戦争…という壮大な設定はドキドキです。ヒロインの毅然とした言動が素敵です。ヴェトナム戦争時代のインドシナ半島がメインに、その他の歴史的な事件を伝奇的に解釈しつつ設定を盛り上げていくのですが、残念な「打ち切り」的な終わりかたになっています。もっとも、冷戦の集結を象徴するできごとで、上手くまとめているのは流石というところです。たぶ
読了日:01月29日 著者:笠井 潔

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