hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 2019年分

2019年の読書メーター
読んだ本の数:54
読んだページ数:12680
ナイス数:255

陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫)陰陽師(おんみょうじ) (文春文庫)感想
安倍清明源博雅が、酒を飲みつつ四季折々の風流を語り、次に妖を語り解決するという、型の決まった短編を楽しめます。 清明と博雅が「ほろほろと酒を飲む」ように、ほろほろと読んでしまいます。
読了日:01月03日 著者:夢枕 獏
陰陽師 飛天ノ巻 (文春文庫)陰陽師 飛天ノ巻 (文春文庫)感想
「天邪鬼」「下衆法師」「陀羅尼仙」「露と答へて」「鬼小町」「桃園の柱の穴より児の手の人を招くこと」「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」の短編集です。 冒頭の清明と博雅の四季折々の風流に「呪」についての解釈が加わりますが、基本的には変わらぬ構成です。 「露と答へて」の博雅の良い人ぶりが好きです。「源博雅堀川橋にて妖しの女と出逢うこと」が博雅各種エピソードの紹介となっています。
読了日:01月05日 著者:夢枕 獏
陰陽師 付喪神(つくもがみ)ノ巻 (文春文庫)陰陽師 付喪神(つくもがみ)ノ巻 (文春文庫)感想
「瓜仙人」「鉄輪」「這う鬼」「迷神」「ものや思ふと・・・・・・」「打臥の巫女」「血吸い女房」の短編集です。 「ゆこう」 「ゆこう」 そういうことになった。 そういうパターンが確立します。
読了日:01月06日 著者:夢枕 獏
陰陽師 生成(なまな)り姫: 5陰陽師 生成(なまな)り姫: 5感想
陰陽師付喪神(つくもがみ)ノ巻』の短編『鉄輪』を長編化した作品です。既刊の短編から清明と博雅の紹介のほか、関連するエピソードをうまくまとめて長編に仕上げています。 既刊の短編集の趣を上手くまとめた、夏休みの映画版という感じです。
読了日:01月06日 著者:夢枕 獏
陰陽師鳳凰ノ巻: 4陰陽師鳳凰ノ巻: 4感想
泰山府君祭」「青鬼の背に乗りたる男の譚」「月見草」「漢神道士」「手をひく人」「髑髏譚」「清明、道満と覆物の中身を占うこと」 以上の短編を楽しめます。 ただ、既刊とは少し趣が違う、という感じがあります。 でも、一件落着の後、 「今もどれば、夜明けの月を見ながら、まだ、二、三杯の酒くらいは飲めるだろう」 などの風流・風雅は健在ですし、安心して楽しめます。 あとがきで語られる、「アイデアをひねり出す方法」が身も蓋もなく、「ただそのことを考え続ける」というのはに、かえって感心してしまいました。
読了日:01月13日 著者:夢枕 獏
陰陽師 龍笛(りゅうてき)ノ巻陰陽師 龍笛(りゅうてき)ノ巻感想
「怪蛇」「首」「むしめづる姫」「呼ぶ声の」「飛仙」 以上の短編を楽しめます。 賀茂保憲と露子姫が登場します。その他は、前巻と変わらず趣向を凝らした怪異と謎解きを楽しめますが、蘆屋道満に関わるお話は、なんとなく、清明が俗っぽくなるような気がします。
読了日:01月13日 著者:夢枕 獏
陰陽師 太極ノ巻陰陽師 太極ノ巻感想
「二百六十二匹の黄金虫」「鬼小槌」「棗坊主」「東国より上る人、鬼にあうこと」「覚」「針魔童子」 以上の短編を楽しめます。 「二百六十二匹の黄金虫」は、ちょっと懲りすぎな感じですが、その他は既刊と同様に楽しめます。 「長い沈黙が、晴明も博雅も、互いに苦にならない。」、そういう関係が羨ましいです。
読了日:01月13日 著者:夢枕 獏
陰陽師 1 (ジェッツコミックス)陰陽師 1 (ジェッツコミックス)感想
夢枕獏の原作小説を平安京1200年の記念と合わせて、描いたことです。オリジナルな展開が楽しみです。
読了日:02月17日 著者:岡野玲子,夢枕獏
陰陽師 2 (ジェッツコミックス)陰陽師 2 (ジェッツコミックス)感想
「鬼のみちゆき」と「天邪鬼」のエピソード、どちらも原作小説にコミックス版アレンジを加えています。晴明と博雅は、酒を酌み交わしつつ、平安京の呪術的な成り立ちなど、コミックス版の伏線となる解説的な会話をしていたりもします。
読了日:02月24日 著者:岡野玲子,夢枕獏
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(1) (ヤングマガジンコミックス)ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(1) (ヤングマガジンコミックス)感想
寛永御前試合の時期の剣豪を「ヴィラネス(villainess)」として、邪悪、冷酷、非道な内面と行動で描いています。 ナイーブな「宮本弁之助」をヴィラネスな「秋山虎之助」の弟子にして、非道な果し合いを可憐な女子の肢体で楽しむ、変な嗜好の作品になっています。
読了日:02月24日 著者:夢枕獏,雨依新空
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(2) (ヤングマガジンコミックス)ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(2) (ヤングマガジンコミックス)感想
秋山虎之助が塚原卜伝に挑み、その過程で宮本弁之助が、秋山に利用されていたこと、外道(ヴィラネス)な振る舞いと最強を求める覚悟を自覚して、ヴィラネスとして覚醒の兆しをみせます。
読了日:02月24日 著者:夢枕獏,雨依新空
ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(3) (ヤングマガジンコミックス)ヴィラネス ―真伝・寛永御前試合―(3) (ヤングマガジンコミックス)感想
宮本弁之助が「ヴィラネス」として覚醒するエピソード完結、です。案内役としての秋山虎之助と塚原卜伝を乗り越えて、さて、これから、というところで、ヒロインが「関口柔心」に代わります。昆虫や小動物を身体の仕組みを知りたいが故に殺して、最終的に人を殺す... そんな「外道」が異常に巨大な獣と対峙して、闘いの本質を理解するエピソード、の途中までです。
読了日:02月24日 著者:夢枕獏,雨依新空
先生のやさしい殺し方 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)先生のやさしい殺し方 1巻 (デジタル版ガンガンコミックスUP!)感想
両親を殺したのは、「お兄ちゃん」と慕っていた人で、今は生物学の教師と生徒の関係、さらに、シリアルキラー専門の殺人者とその師弟、という設定です。 連続殺人者のプロファアイリングや師匠が連続殺人鬼を殺す現場に「課外授業」として同行して実技を見学しつつスキルを高めて... そんなシーンを楽しめます。
読了日:02月24日 著者:反転シャロウ
じこまん 1じこまん 1感想
「スポーツ志向でもなく懐古趣味でもなく、ただひたすら じこまん のために自転車と付き合う。私は齢四十にして、そう生きていくことに決めた、ある漫画家である」という冒頭の著者の「四十の決断」以降の自転車との付き合いと自己満足ぶりを楽しめます。自転車、特にロードバイクでのサンデーライダーなら、共感できると思います。
読了日:03月10日 著者:玉井雪雄
合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】感想
桜を眺めつつ、晴明と博雅の会話を反芻しながら、なんとなく読み返してしまいました。 桜、梅雨、秋、冬、梅... 季節ごとに読み返したくなります。
読了日:04月07日 著者:夢枕 獏
地底旅行 1 (ビームコミックス)地底旅行 1 (ビームコミックス)感想
古書店で偶然に入手した稀覯書に挟まっていた一枚のメモから始まる狂気の冒険... 一応、それなりの道具を持っていくにしても、計画、準備不足にもほどがあります。そんな無茶を「男性が偉大な冒険で名を挙げるなんて真の名誉じゃない。私が女でなかったら真っ先に付いていくのに...羨ましい限りだわ!」というフィアンセの一言で後に引けず参加... 男って、バカばっか...な冒険を楽しめます。
読了日:04月30日 著者:倉薗 紀彦
地底旅行 2 (ビームコミックス)地底旅行 2 (ビームコミックス)感想
前巻ラストの水不足に懲りずに、地下の洞窟で一人逸れて遭難の危機、という計画・準備不足が原因の災難を、全巻同様に都合よく乗り切って、古生物が生存するスペクタクルな地底湖の帆走... 『ジュラシックパーク』の元ネタの光景はこれか、と納得な古典をコミックスで楽しめました。
読了日:04月30日 著者:倉薗 紀彦
地底旅行 3 (ビームコミックス)地底旅行 3 (ビームコミックス)感想
古生代の生物、地底湖での遭難、人類の進化上の祖先を示唆する遺骨、スリルタップな冒険を楽しめます...
読了日:04月30日 著者:倉薗 紀彦
地底旅行 4 (ビームコミックス)地底旅行 4 (ビームコミックス)感想
スリルたっぷりな冒険も、最後は最大のスペクタクルなシーンで終わります。火山の噴火で噴き出されたら生存できないだろう云々は、ああ、だから敢えて、「地底旅行」と「旅行」いうことで丸めているのかと納得ですが... 無茶を都合よく乗り切ったお話を楽しめる程度のリアリティーと勢いがあるのは事実です。原作が古典として残る名作だと理解できるコミックス版でした。
読了日:04月30日 著者:倉薗 紀彦
蛍火の灯る頃に : 1 (アクションコミックス)蛍火の灯る頃に : 1 (アクションコミックス)感想
祖母の葬儀のため、親族が集まって一晩が過ぎたら、親族以外には村に人の気配はなく、謎の霧に囲まれて外界から孤立し、凶暴化した動植物の脅威が迫る... サバイバルとホラーな物語です。 とりあえず、自分たちが(仏教的な意味での)「地獄」に居ることが判明するところまで。巻末にちょっとしたサバイバル知識のオマケがあります。
読了日:06月09日 著者:竜騎士07,小池ノクト
蛍火の灯る頃に : 2 (アクションコミックス)蛍火の灯る頃に : 2 (アクションコミックス)感想
水、食料の確保、「地獄」の鬼から安全な居住場所の確保などの課題を、緊迫した状況の中、親族間の葛藤を乗り越えて協力して生き抜こう、ってまぁ、安易な展開です。 巻末に、サバイバルな豆知識があります。
読了日:06月09日 著者:竜騎士07,小池ノクト
蛍火の灯る頃に : 3 (アクションコミックス)蛍火の灯る頃に : 3 (アクションコミックス)感想
新たに見つけた居住場所に監禁されていた少女の保護、少女の正体の発覚、そして公民館への非難と鷹野との再会、自分たちの状況を認識する物語の転換点です。
読了日:06月09日 著者:竜騎士07,小池ノクト
蛍火の灯る頃に : 4 (アクションコミックス)蛍火の灯る頃に : 4 (アクションコミックス)感想
平坂村の昔話を通じて、脱出方法を見出して、物語は結末へ... 死者に対して語るべきは、自分の生き様に関する決意、など前向きな姿勢の一方で、死者を悼むことも必要で... 起承転結がしっかりした全4巻の構成を楽しめました。 なお、巻末のサバイバル豆知識はありません。ちょっとガッカリです。
読了日:06月09日 著者:竜騎士07,小池ノクト
メイドインアビス(8) (バンブーコミックス)メイドインアビス(8) (バンブーコミックス)感想
ヴェコが、「成れ果ての町」の成立過程を語る... たどり着いた第6層で生きるため、止むを得ない選択が招いた結果... それがこの町と住民の現状なのだと。 相変わらず、現実は容赦無く残酷、と言う物語りです。 さて、ファプタとレグの関係など、まだ不明なこともあり、続きが気になります。
読了日:06月09日 著者:つくしあきひと
びわっこ自転車旅行記びわっこ自転車旅行記感想
再読してみると、なんかブラケットも持ち方、と言いますか、ハンドル周りの描画に違和感が... あれ... これで良いのか... いや、補助ブレーキを着けてるのなら、ケーブル、どうしてるの?
読了日:06月09日 著者:大塚志郎
陰陽師 1 (ジェッツコミックス)陰陽師 1 (ジェッツコミックス)感想
精神安定剤的に再読しています。
読了日:06月30日 著者:岡野玲子,夢枕獏
合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】合本 陰陽師(一)~(十二)【文春e-Books】感想
精神安定剤的に再読しています。
読了日:06月30日 著者:夢枕 獏
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)感想
メモと言いますか、小まめなノートを活用して、自己実現を企図し、充実した人生を実現しましょう。そのためのメモとノートの手法を解説しています。 ただ、具体例が著者の体験談で、これに共感できないと、辛いです。メモやそこからの発展についての手法にも目新しさはなくて、著者の体験談が目障りな感じです。 ワインバーグの『スーパーエンジニアへの道』を思い出しました。「個人的日誌」や「経歴曲線」はすでに著述されていますし、こちらのほうが分かりやすいと言う印象です。
読了日:07月17日 著者:前田 裕二
ロードバイク「規格」便利帳 最新版 (エイムック 3622 BiCYCLE CLUB別冊)ロードバイク「規格」便利帳 最新版 (エイムック 3622 BiCYCLE CLUB別冊)感想
趣味でロードバイクを所有している人が、メンテナンスでパーツ交換に迷ったり困ったりした時に、参考になるし便利、と言う内容です。 通信販売の「お勉強代」を節約できるでしょう。 このムックで解決できないなら、ショップに行きましょう。
読了日:07月20日 著者: 
プリニウス 1巻 (バンチコミックス)プリニウス 1巻 (バンチコミックス)感想
『博物誌』の著者、ガイウス・プリニウス・セクンドゥスを、口述記述者として同行しているエウクレスの視点で描いた歴史物... 史実に添いつつ、史料がない部分は創作を広げて、でも描写はリアルなので、引き込まれてしまいます。
読了日:08月12日 著者:ヤマザキマリ,とり・みき
プリニウス 2巻: バンチコミックス45プレミアムプリニウス 2巻: バンチコミックス45プレミアム感想
皇帝ネロとプリニウスの会話から、ネロを、「凡人が皇帝になってしまって、なげやりに皇帝している」な感じで、政権を巡る陰謀と、エウクレスの市井での行動とプラウティナとの出会いで、物語の伏線が張り巡らされる感じです。
読了日:08月12日 著者:ヤマザキマリ,とり・みき
プリニウス 3巻: バンチコミックス45プレミアムプリニウス 3巻: バンチコミックス45プレミアム感想
娼婦として働く奴隷プラウティアナに対するエウクレスの葛藤は、旅を続ける動機付けと成長を感じます。巻末の、地震の前兆として描かれる不可思議な事象では、地域や時代を問わない普遍的な民間伝承の存在を意識させられました。
読了日:08月12日 著者:ヤマザキマリ,とり・みき
ここから風林火山 1巻 (まんがタイムコミックス)ここから風林火山 1巻 (まんがタイムコミックス)感想
信虎追放前後の武田晴信を、その妹、禰々とのブラコン&シスコンで萌え系四コマギャグに仕立てた歴史物萌え系四コママンガ? 武田信玄について、前提知識があれば、史実をお笑い解釈した展開を楽しめます。そういう意味では、よくできていると思います。
読了日:08月13日 著者:柳原満月
ここから風林火山 2巻 (まんがタイムコミックス)ここから風林火山 2巻 (まんがタイムコミックス)感想
妹、禰々を政略結婚から自由にしようという動機で信州へ... 禰々は救えなかったけれど、でも、それならば、という、そんな戦略の過程で生起する板垣、甘利の討ち死にの危機、砥石城の攻略、真田幸隆山本勘助活躍などを、お笑いな解釈で萌え系四コマで描画しつつ、川中島を前に、「川中島の合戦」で完結しています。 もっと、続けて欲しかったです。
読了日:08月13日 著者:柳原満月
山と食欲と私 1巻: バンチコミックス山と食欲と私 1巻: バンチコミックス感想
30代手前の独身女性が、登山とその過程での食事を楽しむことを描いたコミックスです。 主眼は、「登山における昼食(、あるいは、その途中での炊飯など)」にあると思います。 私は登山もワンダーフォーゲルもしませんが、そういうアクチビティを疑似体験した気分になれます。
読了日:08月13日 著者:信濃川日出雄
リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法リファクタリング・ウェットウェア ―達人プログラマーの思考法と学習法感想
ドレイファスモデルをもとに、自己のスキルの向上について、「脳の器質・機能」をもとに、どうしたら、技能を向上させられるのか、を具体的に解説した書籍です。出版年を考えると古さは否めませんが、根本的な考え方は色褪せないと思います。
読了日:08月14日 著者:Andy Hunt
自転車三昧 (生活人新書)自転車三昧 (生活人新書)感想
ロードバイクを買い替えたくなったので、再読です。 本書のp.105の「ただ走ることしかできないロードバイクで、どう走るのかを考える。」ということをもう一度、考える必要があるな、と思ったので。
読了日:09月23日 著者:高千穂 遙
厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)厭魅の如き憑くもの (講談社文庫)感想
舞台となる山村や憑き物の血筋がある家を中心にした村の成り立ちなど、雰囲気はたっぷりと楽しめます。 怪奇な殺人の状況も悪くないですが、ミステリとも伝奇・怪奇的とも、どっちつかずな作風で、何か物足りない感じもします。 怪談・怖い話で演出した素人探偵の本格ミステリ、と云う感じの結末は、まあまあ、楽しめました。 休日のお供には悪くないです。
読了日:09月29日 著者:三津田信三
凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)感想
僻地の集落で祀られている神社の由来、そこで行われる秘密の儀式、前回の儀式で起きた失踪事件の顛末など、主人公の見聞や民族学的な取材の体裁で舞台を整える前半を乗り切れば、後半、孤立した島の密室状況で実施される儀式、殺人を思わせるような連続失踪など、緊張感のある展開を楽しめます。 前半の内容を踏まえても、自己犠牲を厭わず淡々と儀式に臨む巫女の信仰心には、共感できないけれど、その背景を踏まえれば、こういう結末もアリ、と思えました。
読了日:10月05日 著者:三津田信三
吸血鬼ドラキュラ (講談社文庫)吸血鬼ドラキュラ (講談社文庫)感想
ブラム・ストーカーの『ドラキュラ』をジュブナイルとして翻案したと、あとがきに記されていますが、その意図は、十分に達成されていると思います。 「背景」となる、大英帝国とその他の国際的な関係や貴族と一般市民という関係、電報や手紙、鉄道や帆船など、時代背景やテクノロジーも分かりやすいと思います。 台風の夜、気軽に『ドラキュラ』を楽しめました。
読了日:10月13日 著者:菊地 秀行,ブラム ストーカー
首無の如き祟るもの (講談社文庫)首無の如き祟るもの (講談社文庫)感想
今回も、地方の地主を中心に祀られている神社が舞台の密室殺人がテーマ... 前半は、舞台設定に費やされるので、若干、退屈です。 直接、人が出向いて警察へ通報するような集落なら、夜は現代ほど明るくないはず。としても、怪奇な部分は、それを目撃するのが幼い少年、ということもあって、大人には説得力がないような... 怪奇な雰囲気よりも、「小説によって語られる事件」と「その語り手の現実」という小説の構成がそのままトリックになるというミステリとして楽しめました。
読了日:10月14日 著者:三津田 信三
山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)感想
自分達の山が金山かもしれない... その欲望に取り憑かれた一家(の成りすましとか)、隣の山を所有する一族の(家庭内の葛藤と)成人の通過儀礼が重なって、山の夜道での怪異譚とその内実に気づいた当事者の復讐、それを論理的に解き明かす結末という一連の流れを楽しめます。 とは言うものの、金山かも、だけでここまでやるの?という気はしますが...
読了日:10月19日 著者:三津田信三
水魑の如き沈むもの (講談社文庫)水魑の如き沈むもの (講談社文庫)感想
シリーズ物としては、新機軸の導入から始まりますが、怪異の説明的な、満洲からの舞鶴港までの引き揚げまでの苦難と、その後の水利を管理する神社が支配する村での苦労話が怪異の説明で、これを乗り切るのが厳しいです。 その後の、連続殺人も、最後のオチは、ちょっと無理っぽい感じですが、まぁ、理不尽な人身御供という動機から、アリかもしれません。 いろいろ、ムリっぽいけど、まぁ、このシリーズ、と言うことで。
読了日:10月19日 著者:三津田信三
幽女の如き怨むもの (講談社文庫)幽女の如き怨むもの (講談社文庫)感想
怪異の説明が、「戦前の遊郭と花魁」の説明となる日記帳の記載で、これがとにかく、「退屈」です。 ささやかな怪異の続きを「戦中の遊郭の女将の回想」、「戦後の作家の取材」として、まぁ、怪異もアリかも、という起承転、で結は、合理的にまとめる構成です。 読むのが辛い... でも、謎
読了日:10月26日 著者:三津田信三
密室の如き籠るもの (講談社文庫)密室の如き籠るもの (講談社文庫)感想
刀城言耶シリーズの短編集です。作中の時期は、『凶鳥の如き忌むもの』の前後のようです。 怪異譚とその合理的な解釈を手軽に楽しめます。 短編の方が、このシリーズのエッセンスを味わえると思います。
読了日:11月03日 著者:三津田信三
悪の教典 上 (文春文庫)悪の教典 上 (文春文庫)
読了日:11月03日 著者:貴志 祐介
悪の教典 下 (文春文庫)悪の教典 下 (文春文庫)
読了日:11月03日 著者:貴志 祐介
生霊の如き重るもの (講談社文庫)生霊の如き重るもの (講談社文庫)感想
刀城言耶シリーズの短編集です。刀城言耶の大学4年生頃のエピソード、怪奇譚に触れようとすると、何かの事件になっている、というシリーズの構成どおりの展開です。 怪異譚とその合理的な解釈を手軽に楽しめます。 この短編集では、ラストシーンが、「怪奇な解釈」になっていますが... とはいえ、短編の方が、このシリーズのエッセンスを味わえると思います。
読了日:11月16日 著者:三津田信三
言葉使い師言葉使い師感想
表題作のような、「言葉」や「言語」と物理的な世界の関係(というか認識)に関する作品は、面白い。 その他の作品で、異質な意識体との遭遇、人のクローンと子育て、文明の発展と幸福、成長・老化と人生などを考えさせられるました。
読了日:11月17日 著者:神林長平
砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない (富士見ミステリー文庫)感想
中学2年、自分も「中ニ病」な感じで、妄想と生意気に大人びたことを考えたりもしていたな、と。 そういう中学生な雰囲気で、衝撃的な事件とその前後を語るヒロインの回想... 中学生の時、クラスメイトが死んだら、どう思う? それも、親族殺人だったら... そんなことを回想している時点は、事件から数ヶ月後なのだろう。だから、最後まで、中ニ病な語り口で、それは自分が忘れてしまっていた中二病時代を思い出させてくれる、読書体験でした。
読了日:11月24日 著者:桜庭 一樹
少女には向かない職業 (創元推理文庫)少女には向かない職業 (創元推理文庫)感想
学校と家庭、その他は微かにご近所だけが世界な田舎の中学2年生では、家庭に問題があったら、基本的に居場所はないし、「学校で浮かないように上手くやる」こともそれなりに大変で、まぁ、分かるお話しをヒロインが語ってくれます。 そこに義父の死と、よく分からなない同級生との関わりが物語のスパイスで、それが殺人になって小説になるのですが... 平成後半以降の出版であったなら、「日常系」として、ダラダラと日常を語っても、良かったのかもしれません。その程度には、ヒロインの心情に共感できました。
読了日:12月08日 著者:桜庭 一樹
UN-GO 因果論 (ハヤカワ文庫JA)UN-GO 因果論 (ハヤカワ文庫JA)感想
映画版とか、予備知識なしでの感想です。 1940年代頃から、微妙に違う歴史、その後、自衛隊自衛軍に。そんな社会情勢での陰謀論、国内のテロ行為で破綻した既存のネットワークを代替した新興企業のCEOが監視カメラその他のネットの監視による「安楽椅子探偵」もどき、正義感のある検事と警視、不可思議な力を行使する私立探偵という設定は楽しめますが... 捜査対象の新興宗教も私立探偵の異能も、SF考察の埒外で、それが残念です。 まぁ、異星人だったとか、人類の進化の可能性だとか、そう言われても、微妙ですが。
読了日:12月21日 著者:會川 昇
足摺り水族館足摺り水族館感想
タイトルに惹かれて購入ですが、描画が私の好みにあっていまして、風景は特に素敵です。良い衝動買いでした。 とは言うものの、風景の書き込みと人物の書き方に非常に差異がありまして、それが気に入らないと言う人も居るでしょうし、ストーリーも不条理系で、好みが別れそうなコミックスです。
読了日:12月24日 著者:panpanya
一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)一角獣をさがせ! (ハヤカワ文庫FT)感想
今年も物語に合わせて「ニューイヤーイブ」に再読です。気持ちを切り替えて、良い新年を。
読了日:12月31日 著者:マイク・レズニック

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