hroko's はてな diary

ゆるふわ気ままな日記です。はてなダイアリーからのインポートを引き継ぎます。

読書メーターのまとめ 2024年03月分

3月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1973
ナイス数:11

ナキメサマ 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)ナキメサマ 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)感想
ほどよい緊張感、あえて日付や季節感を省いてたり、登場人物の顔が分からない小説だからできる仕掛けなど、さらに語り手自身にも裏があるなど、ミステリと伝奇的な怪異を楽しめました。休日の読書としては良かった。
読了日:03月03日 著者:阿泉 来堂
ぬばたまの黒女 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)ぬばたまの黒女 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)感想
怪異が物理的に存在する世界、という前提の物語、それどこらか、古事記日本書紀的な死後の世界と現世を接続するという仕掛けで、物語の語り手、シリーズの主人公、それぞれの視点での物語の「意外な結末」を楽しめました。そういう、伏線回収は良いなぁ、と。
読了日:03月10日 著者:阿泉 来堂
忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)忌木のマジナイ 作家・那々木悠志郎、最初の事件 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)感想
曰のある木の根本に写真を埋める、というまぁ、昭和というか、戦後から平成初期的な「写真」=物理的な実体、という時代を感じさせる怪異が、「最初の事件」という古さを感じさせてくれます。怪異が物理的に人に危害を加えるという世界観、語り手の視点からの物語の逆転、とかも楽しめました。
読了日:03月10日 著者:阿泉 来堂
邪宗館の惨劇 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)邪宗館の惨劇 作家・那々木悠志郎シリーズ (角川ホラー文庫)感想
怪異が物理的に存在する世界、という前提の物語、そんな世界で怪異譚を収集するのシリーズの主人公と、エピソードごとに異なる語り手の視点、その視点故の物語の逆転劇に加えて、さらに、毎年同じ日に繰り返される事件、というかなり現代的な構成です ... シリーズものに、さらに「因縁」を加えるというエピソードですが、それで、シリーズは完結できればいいのですけど。単独の、怪異を楽しんでいたかったかも。
読了日:03月10日 著者:阿泉 来堂
異端の祝祭 佐々木事務所シリーズ (角川ホラー文庫)異端の祝祭 佐々木事務所シリーズ (角川ホラー文庫)感想
心霊関係を扱う探偵事務所という怪しげなところに持ち込まれた、新興宗教絡みの依頼、ヒロインを含めて登場人物は全般的に、純粋な -- 善良なインセンティブで行動しているわけでもなく、各自の生い立ちなどによって、それぞれの結末へ。まぁ、霊能者や超能力者っぽいことをする人たちが、危ない儀式をしている新興宗教からみのトラブルに巻き込まれるお話 ... ヒロインの事務所は、そういう面倒ごとのスイーパーと思えば、スッキリします。
読了日:03月17日 著者:芦花公園
三島由紀夫スポーツ論集 (岩波文庫 緑 219-3)三島由紀夫スポーツ論集 (岩波文庫 緑 219-3)感想
三島由紀夫のスポーツ・トレーニング体験をもとにした、エッセイ集、といいますか、まぁ、編集者の選考については最後にまとめてあります。1964年の東京オリンピックの観戦記、ボクシングの観戦記事、著者自身のスポーツ体験のエッセイ、それらを、「太陽と鉄」で締めくるるのは、悪くないかな、と。ボクシングの観戦記事は、自身がボクシングを経験した上て、こういう表現をしているのかと思うと、興味深いです。日本人は、この時代、ボクシングになんらかの夢をみていた、ということも ...
読了日:03月17日 著者: 
歯車歯車感想
現在なら、X(旧Twitter)でポストしているような、そういう「他人に読まれることを前提にした自身の行動と所感」を、まとめた読み物として、楽しみました。私自身も、小学生の頃から、「歯車」のようなものが、視界にチラつくことがあって、それは共感できました。症状を、親や医者に伝えられなくて、困っていましたが、ああ、「歯車」って言えばよかったのか、と。そして、そう云う人が他にもいたのは、ホッとします。
読了日:03月31日 著者:芥川 竜之介
武蔵野武蔵野感想
この時代に、「武蔵野」と呼んだ地域は、ずっと自然に満ちていたんだなぁ、と。現代なら、鉄道駅を基準に定義して、歩くであろうところを、最初から最後まで、自身で歩いた体験と所感を、流石、著者の文体で記していて、こういう野趣を味わえる散歩がしたい、と思いながら、さて、どんな地方都市の周縁に現代の「武蔵野」はあるのかと思いを馳せています。
読了日:03月31日 著者:国木田 独歩

読書メーター

読書メーターのまとめ 2024年01月分

1月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:882
ナイス数:10

三島由紀夫文学論集 I (講談社文芸文庫)三島由紀夫文学論集 I (講談社文芸文庫)感想
「太陽と鉄」と「実感的スポーツ論」を読んでみたくて。自分のスポーツ・トレーニング体験を語る「実感的スポーツ論」は素直に共感できます。一方で、「太陽と鉄」は、何だか、その背景を知らない不勉強な私には、何を言いたいんだろう、と思う一方、素朴に精神と肉体、ってことなら、分からなくもないかと。その他の収録作では、「作家の休日」が面白かった。スターでもある、作家のそういう日常は、今なら、ツイッターみたいなもので、共有されているのでしょうけれど。読まれることを前提にした日記 ー Blog の過去形ですね。
読了日:01月14日 著者:三島 由紀夫,虫明 亜呂無
三島由紀夫文学論集 II (講談社文芸文庫)三島由紀夫文学論集 II (講談社文芸文庫)感想
「裸体と衣装」、スターでもあるような作家の読まれることを前提にした日記は、令和の現在からすると、不思議と興味を惹かれます。作家がスターでもあるような、そういう時代、文学や教養がすごく重みのあるような時代を意識できる、貴重な読書体験でした。
読了日:01月14日 著者:三島 由紀夫,虫明 亜呂無
九十八歳になった私九十八歳になった私感想
震災の後に再読してみると、罹災後の仮設住宅での暮らし方の覚悟とか、あるいは、地震津波を前提とした、日本の街づくりとか、そもそも、どういう国でありたいのか、っていうレベルでいろいろと考えさせられる空想私小説です。作者と同様に、「今度、地震がきたら死ぬから大丈夫」って言えたらいいのですが。
読了日:01月15日 著者:橋本 治

読書メーター

読書メーターのまとめ 2024年01月分

12月の読書メーター
読んだ本の数:3
読んだページ数:1383
ナイス数:17

シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-1)シャーロック・ホームズとシャドウェルの影 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-1)感想
シャーロックホームズの作品世界が実はクトゥルフ神話の物語が現実でもあるという、ホームズとクトゥルフ神話、両方のパスティーシュとなっています。シャーロックホームズの正典は、実はワトソン氏の虚構で、本当の活躍は旧支配者や旧神その他の怪異から日常を守ことだった、という設定でモリアーティとのライヘンバッハの滝の真実を楽しめました。
読了日:12月16日 著者:ジェイムズ ラヴグローヴ
シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-2)シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪 (ハヤカワ文庫FT FTラ 5-2)感想
シャーロックホームズとクトゥルフ神話パスティーシュの2作目、クトゥルフ神話っぽく、二部構成で、アーカム近郊ででシュゴスを探す、というクトゥルフ神話な物語と、ホームズの長編的な構成を楽しめます。そして、正典」との関連なども楽しめました。
読了日:12月16日 著者:ジェイムズ・ラヴグローヴ
シャーロック・ホームズとサセックスの海魔 (ハヤカワ文庫FT)シャーロック・ホームズとサセックスの海魔 (ハヤカワ文庫FT)感想
ホームズとクトゥルフ神話パスティーシュ3部作の完結、隠居先から成り行きでUボートでルルイエへの航海とか、クトゥルフ神話な成り行きをホームズ物の構成で無理なくしたていています。モリアーティとの決着後、ホームズ物のパスティーシュの結末の後に、いかにもクトゥルフ神話的な結末で締めくくるのは好いですね ...
読了日:12月16日 著者:ジェイムズ・ラヴグローヴ

読書メーター

読書メーターのまとめ 2023年11月分

11月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1666
ナイス数:16

おくのほそ道: 付 曾良旅日記 奥細道菅菰抄 (岩波文庫)おくのほそ道: 付 曾良旅日記 奥細道菅菰抄 (岩波文庫)感想
「月日は百代の過客にして行きかふ年も又旅人也」で始まる、国語の教科書どおりの冒頭、旅に出られない、引きこもりの連休に一気に読んでしまいました。注釈や実際の旅の日程など、実際は、どうだった、という好奇心も満たしてくれる構成です。連休の読書を楽しめました。
読了日:11月04日 著者:松尾 芭蕉
ソロキャン! (朝日文庫)ソロキャン! (朝日文庫)感想
職場のモヤモヤを解消するため、「そこに焚き火が、焚き火さえあれば、ほかになにもいらない」という楽しみのために、キャンプを再開するお話です。あまり、職場などの不愉快な思いを書かれても楽しくないけれど、ソロキャンプの楽しみだけをダラダラ書かれても ... まぁ、それはそれで楽しいかもしれないのですが、バランス良くまとまっていて、気軽に楽しめました。
読了日:11月23日 著者:秋川滝美
貧乏令嬢の勘違い聖女伝 ~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~【特典SS付】 (一迅社ノベルス)貧乏令嬢の勘違い聖女伝 ~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~【特典SS付】 (一迅社ノベルス)感想
ダンジョンで力尽きたら、もう一度、人生をやり直すように転生したヒロインの利己的・打算的な頑張りが勘違いされて、聖女のように祭り上げられていくお話 ... 文章を楽しむ・味わうことはないけれど、頑張るヒロインの努力が誤解されよい話になる、そういう展開は楽しめます。毒がなく、なんとなく楽しい冒険ファンタジーが必要な時には、再読するかも。
読了日:11月25日 著者:馬路まんじ
「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮文庫)「三島由紀夫」とはなにものだったのか (新潮文庫)感想
豊饒の海』の完結編を書いて自殺した小説家、あくまでもその視点で小説家の「三島由紀夫」を語る、説明する内容です。著者の立場や理解の仕方に納得できなければ、まぁ、三島由紀夫の受容は人それぞれでしょう ...
読了日:11月25日 著者:橋本 治
貧乏令嬢の勘違い聖女伝: 2 ~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~【特典SS付】 (一迅社ノベルス)貧乏令嬢の勘違い聖女伝: 2 ~お金のために努力してたら、王族ハーレムが出来ていました!?~【特典SS付】 (一迅社ノベルス)感想
普通に、1巻の続きで、1巻と同様に、「聖女様の活躍はこれからです」という感じに終わっています。ヒロインの魔法が強力になって、敵も相応に強くなって、戦闘シーンが派手になる以外は、別に続編なくても、という感じです。もう少し、「勘違いされて聖女らしいことをしている」という方向で楽しみたかった。
読了日:11月26日 著者:馬路まんじ

読書メーター

読書メーターのまとめ 2023年10月分

10月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1085
ナイス数:17

仕事も人間関係もうまくいく放っておく力: もっと「ドライ」でいい、99の理由 (知的生きかた文庫 ま 41-10)仕事も人間関係もうまくいく放っておく力: もっと「ドライ」でいい、99の理由 (知的生きかた文庫 ま 41-10)感想
1項目が見開き2ページ、解説というか、本文は1ページの全99項目の禅にもとづくに端的に述べた「教え」というか「ヒント」から、意識していない執着とかこだわりとか、気にしすぎなどを自覚して、そういうことはやめて自由になれば楽になる、なるほどなぁ、そうですね、という内容です。サラッと読めて、気持ちが楽になれます。
読了日:10月28日 著者:枡野 俊明
多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (サンクチュアリ出版)多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。 (サンクチュアリ出版)感想
押し付けがましさない、そういう文体・構成です。その上で、そんなこと、気にしなくても良いのです、ということを、端的な一言と四コマ漫画、1〜2ページ程度の文章で解説してくれます。まぁ、役に立ちそうなところだけ、参考にします、それで良いという内容ですがが、それが良いです。
読了日:10月28日 著者:Jam
九十八歳になった私九十八歳になった私感想
ダラダラと、再読 ... 「人間の記憶というものはどうしようもない。勝手のそれらしいものを持ち出して来る」なんていうフレーズがあって、不思議に、気になるので。それって、生成AIじゃないの、とか思ったりして。
読了日:10月28日 著者:橋本 治
堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)堕天使拷問刑 (ハヤカワ・ミステリワールド)感想
僻地の町、名家に引き取られた孤児の主人公が語る、不思議な殺人事件の顛末 ... 学校生活の苦労、自警団による地域での揉め事の処理、憑き物落としや姥捨の習慣を知らない主人公が感じる緊張感などを楽しみつつ読み進められました。不可解な出来事にオカルトな解釈をする、いかにも中学生な視点がタイトルにつながるのでしょう。
読了日:10月30日 著者:飛鳥部 勝則

読書メーター

読書メーターのまとめ 2023年09月分

9月の読書メーター
読んだ本の数:2
読んだページ数:426
ナイス数:11

九十八歳になった私九十八歳になった私感想
後書きによれば、近未来空想科学私小説、自身の年齢が九十八前後の未来で、どう生きているのかを、老いた自身、首都直下地震から復興ままならい日本、超老大国への批判などと共に、延々と書き、内言語で語る。 読まれることを前提にした日記だろうけれど、作家であった私は、自身の原稿用紙の裏に、墨汁で書いているくらいの世情なのだ。 この本、2016年に執筆されているのに、「パンデミックじゃないからビニールシートはかけなかった云々」って、コロナ禍あとだとなんでもないけれど、すごい先見性も感じられます。
読了日:09月23日 著者:橋本 治
神田ごくら町職人ばなし 一 (トーチコミックス)神田ごくら町職人ばなし 一 (トーチコミックス)感想
江戸の「職人」を格好良く描いていて、職業が自己実現であり、生き方でもあるような世界を堪能できます。「桶職人」の最後の場面、よい仕事の後、一杯のお酒の美味しさのような絵は、とても素敵だと思います。
読了日:09月30日 著者:坂上 暁仁

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